公益財団法人 日本財団へ結果報告
まずは公益財団法人 日本財団にお邪魔しました。
次世代に豊かな海を引き継ぐために、国内外において海の未来を切り拓く人材育成や基盤づくりに取り組んでいる事業部門から寄付金の使い道と今後の展望について詳細を伺いました。
公益財団法人 日本財団 ドネーション事業部菅原礼子様よりコメント
1day3000第10弾にご参加の皆さまによるウォーキングを通じたご支援は、海の未来へ繋いでいくための活動と能登半島地震被災地のために全額活用させていただきます。
皆さまからのご支援に心からお礼申し上げます。
海の問題解決に向けたアクションの輪を広げる
―活動内容を教えてください。
日本財団は国土交通大臣が指定する船舶等振興機関として、海洋船舶関連事業の支援や公益・福祉事業、国際協力事業を主に行っている公益財団法人です。
子どもの貧困問題への取り組みや障害者の就労支援、災害復興支援やアスリートの社会貢献プロジェクトと、多方面において社会課題を解決するための活動を行っている組織ですが、海に関する事業は特に力を入れているテーマとして取り組んでおり、「海と日本PROJECT」を開始して9年目となりました。
最近では特に、小さなお子さんの海離れが進行していることに課題を感じており、海に親しみを持っていただく取組みや海洋プラスチックゴミ対策・環境分野の対策に寄付金を活用させていただいています。
楽しく海洋ゴミ拾い「スポGOMI」ワールドカップ開催!
―実際にどんな取組みをされているのでしょうか。
様々な取組みを行っていますが、特に寄付金を活用した取組みの実績として、ワールドカップ「スポGOMI」の開催があげられます。「スポGOMI」は、海洋プラスチックごみ問題が世界的に深刻化していることを受けて、ごみ拾いを競技化した日本発のスポーツです。海洋ごみを削減しながら、楽しく意識を変えていく取り組みとして好評です。昨年は日本でこのワールドカップを開催し、21か国が参加しました。
他にも、海洋ごみ対策としてごみ拾い専用回収BOX「拾い箱」を千葉県内のサーフショップ等に複数か所設置しました。キレイな海を保っていくことで、海への親しみや楽しさを再発見してもらえればと思います。
水を再利用した災害支援も
―災害支援も行われていますが、どのような支援をされているのでしょうか。
ご寄付を活用して災害支援にも取り組んでいます。令和6年1月に起こった能登半島地震の被災現場において上下水道が機能していない場所での適切な水利用、また石鹸の使用が可能な環境を整備するための事業を実施しています。
加えて、アスリート・スポーツの力を活用した災害支援事業にも力を入れており、ファンやスポンサー企業の力も活かしながら被災地のニーズに合った物資支援や、被災者(特に被災した子どもたち)のサポートに力を入れています。小学校をまわって、お子さんとの交流なども行っています。
その他、道路の啓開作業、重機を使った作業や炊き出しなど、被災地のニーズに合わせてそれぞれの強みを持って現場活動を行う団体等への支援を継続しています。
未来へつながる取組みを継続
―今後力を入れていきたいことはありますか。
「スポGOMI」のように日本だけでなく、世界と協力して楽しく海洋ごみを削減するような大きな取組みももちろんですが、お子さんたちが魚をさばいておいしく食べたり、海に興味を持ちたくなったりする取組みは継続して行っていきたいと思います。
災害支援に関しては、道路が分断されている時に海上輸送を行うための調整を行うなどの対応を行ってきました。その時のニーズを見極めながら、自分たちの強みを活かしつつ他の団体と協力して進めていければと思います。
公益社団法人 国土緑化推進機構へ結果報告
つぎに、内外の市民団体等による国内外の様々な「森づくり・人づくり」活動や森林ボランティアを支援する公益社団法人 国土緑化推進機構にお邪魔しました。
1day3000第8弾に引き続き「緑の募金」キャラクター「どんぐりくん」がぽたろうを迎えてくれました。今回は寄付金の使い道と今後の展望について詳細を伺いました。
前回のインタビューはこちら
公益社団法人 国土緑化推進機構 箕輪和香奈様よりコメント
皆様の1歩1歩が、日本の豊かな水源の森づくりや、子どもたちの未来の森づくりに繋がりました。
また、能登半島地震被災地の生活環境改善のために、地元の森で育てられた木を活用した組立什器提供や仮設住宅・教育保育施設等の緑化支援に活用させていただきます。引き続き、緑の募金へのご理解を宜しくお願いします。
森や木を知っているからこそできる被災地支援
―今回の寄付金は被災地にどのように使われているのでしょうか。
私たち、国土緑化推進機構の「緑の募金」への寄附金は、基本的に森林保全や森林造成の為に使用させていただいています。それに加えて、今回の1day3000の寄付金のように、使途限定募金として被災地支援の為にいただいた寄付金は、今年の初めに起きた能登半島地震やこれまでの東日本大震災、熊本地震や豪雨など被災地への継続的な支援に使用しています。
私たちの活動としては地震や豪雨によって被災した森林を再生したり、木を植えることで住宅や学校など、生活環境を整えていくことが大きな役割になっています。ただ、この活動は今すぐ生活の支援を必要とする人たちにとっては届きにくい活動です。そこで、初期フェーズの被災地支援として「組手什(くでじゅう)」の配布支援を行っています。組手什は東日本大震災の頃から続いているもので、木材がすぐに簡単な家具に組み立てられるように加工されています。簡単に組み立てることができ、プライベート空間を守る間仕切りになったり、個人の荷物を保管する棚として使用したりすることができます。また能登半島地震の避難所では当初土足だったのですが、これでは衛生環境が良くない…ということで、組手什を使って下駄箱を作り衛生環境の維持にも役立っているようです。
また、組手什は私たちが作っているわけではなく、その地域の木材加工等を生業とされる企業や団体を支援することで、その地域にある木を使って、その地域で加工・配布を行い、消費をしてもらうという木の循環を守る仕組みになっています。
その地域で木を消費したあとは、最初にお伝えしたように植樹やそれに関連する団体の支援によって森林の保全を目的とした活動を行っています。
今後の展望~森と木が持つ可能性と気候変動の様々な影響を和らげる取組み~
―今後注力していきたい活動はありますか。
森林の機能・役割というのは本当に様々です。まずは、植樹で木を増やすことにより炭素を吸収し、微力ながらも地球温暖化を和らげる活動は継続して行っていきたいと考えています。木を増やすことで、温暖化の影響緩和だけでなく、砂漠化の防止にも繋がります。
また、森林は降雨を蓄えてくれるので水資源の改善にも役立つのではないかと考えています。温暖化による海面上昇についても、海岸付近での植樹・森林保全によって万が一の時の被害を和らげる効果があります。木を植えることで、目に見えるはっきりとした効果や、身近な便利さは感じにくいかもしれませんが、みなさんの生活環境を良くすることに繋がっていると思っています。
加えて、以前お話しした「子どもの森離れ」改善についても引き続き注力して行きたいと思います。子どもの頃から木や森に親しむ機会を作ることで、私たちの活動に理解・賛同してくれる人が増えてほしいというのはもちろんですが、幼いころから森に触れ親しむことで、大人になった時に、生活環境改善のため森や木に必要な活動を行う団体を、率先して立ち上げてくれるかもしれません。自ら森林さらには地球のことを考えて動くそんな人たちが増えて、新しい世代へと世代交代していってくれると嬉しいです。そのような団体の支援を私たちは継続して行っていきます。
―ありがとうございました。
認定NPO法人フローレンスへ結果報告
こども宅食事業を展開する認定NPO法人フローレンスにお邪魔しました。
今回は寄付金の使い道と今後の展望について詳細を伺いました。
1day3000第8弾のインタビューはこちら
認定NPO法人フローレンス
菊池 直斗様よりコメント
1day3000を通じて温かなご支援をいただき誠にありがとうございます。
ご支援いただいた寄付金については、能登半島地震の被災地域への食品や日用品の配送費用として大切に活用させていただきます。
刻一刻と変わる被災地との密な連携が重要
―今回の寄付金は被災地にどのように使われているのでしょうか。
フローレンスのこども宅食事業という取り組みの中で行っているプロジェクトの中で行っている被災地支援に使わせていただきたいと考えています。
被災地支援では大きくわけて3つ行っています。1つは食品を至急お送りしました。明治ホールディングス様に物品を協力いただき、レトルトカレーやお菓子を石川県七尾市に約2万3千個ほどお送りしました。カレーとお菓子は以前、フローレンスが他の被災地支援の時に反響が良かったものです。ただし、これらを外部の倉庫に保管したり、現地へ配送するのには費用がかかるので、そちらにいただいた寄付金を使わせていただくことになりました。石川県庁とは、「いつの時期が無理なく受け入れられるか」などの時期の調整などの綿密なやり取りをしました。
2つ目は、被災地では乳児・幼児用のオムツのニーズがあるということで、企業から寄贈いただき物品の支援を行っています。いただいた寄付金はこちらの配送費や保管費用などにも充てさせていただく予定です。
オムツはサイズやタイプも年齢によってかなり分かれるので、一方的に送ってしまっても場所を取るだけでニーズと合わない場合もあります。乳児など小さいお子さんがいる家庭は、金沢市などへ広域避難をしているのですが、少し大きい幼児がいる家庭は被害の大きかった輪島市などに残っているそうです。もともと様々なサイズを想定していたんですが、Lサイズやビッグサイズなど大きなおむつのニーズも高い地域があることもわかりました。
被災地域へこまかくニーズをお聞きしながらこまめに贈ろうとしています(編集部注:2024年3月、輪島市役所の他、石川県の6団体にオムツ 780パックを寄贈)。
3つ目は、物品ではなく人員の支援です。国内3県で在宅医療や衣食住を含んだ事業活動を行っている医療法人オレンジグループ様では、オレンジキッズケアラボという医療的ケアが必要な子どもたちの施設があります。現在、オレンジキッズケアラボでは輪島市で被災地支援を続けているのですが、通常業務の穴を埋めるためフローレンスの看護師がサポートに入っています。子どもたちの保育や見守りはボランティアの方でもなかなか難しいので、フローレンスの強みを活かせる部分だと思います。
刻一刻と状況が変わっており、初めに聞いていた事と、震災発生から1~2週間経ったときの事ではニーズが全く変わっています。我々は物品を作るメーカーではないためすぐに提供が難しいです。そのため、物品を調達したあとも、被災地との密な連携が重要です。
支援が必要な親子とつながるハイブリッドソーシャルワーク
―今後の活動について教えて下さい
「こども宅食事業」の中でハイブリッドソーシャルワークという取り組みを行っています。社会福祉士など専門の資格を持つ者が、LINEなどを通じて親子とつながり相談支援を行っています。「あなたの地域ではこのような支援がありますよ」といったように、悩みや課題に応じて行政や支援制度に繋ぐこともしています。被災地ではエリアが広いため、支援が必要な家庭が点在していると思います。自治体や行政は様々な情報を発信していますが、避難先では社会的なつながりや土地勘がなかったりするため、すべての情報を受け取るのが難しいんです。
支援が必要な方は体力的にも精神的にも辛い中にいます。受けられるはずの支援なのに、その情報を自治体のホームページから探すのは非常にハードルが高い。気軽に相談できたり、こちらから情報を提供してあげることも重要だと思います。
そのためLINEなどを使用したオンライン支援と、対面支援を組み合わせたアウトリーチ型のハイブリッドソーシャルワークの仕組みが入ることも重要だと考えております。まずは被災地周辺で活動をしているこども宅食団体と連携を図ることで、支援を届けていきたいと思います。フローレンスは今後も引き続き、被災地周辺エリアも含めたこども宅食の取り組みに尽力してまいります。
―ありがとうございました。
(認定)特定非営利活動法人 ジャパンハートへ結果報告
最後に、「医療の届かないところに医療を届ける」を理念に国内外で活動する特定非営利活動法人 ジャパンハートに1day3000第10弾のチャリティ企画での寄付金の使い道と今後の展望について詳細を伺いました。
(認定)特定非営利活動法人 ジャパンハート 皆川 夏子様よりコメント
ご参加いただき心より御礼申し上げます。皆様からのあたたかいご支援は、令和6年能登半島地震支援と子どもたちの命と心を救う活動に大切に使わせていただきます。
ワン・コンパス様には様々な方法で盛り上げてくださり、本当にありがとうございました。
被災地への医療者派遣とカンボジアの医療人材育成
―能登半島地震での被災地支援と、今回の寄付金の使い道についておしえてください
物品を送る物的支援と、医療者を合計15ヶ所以上の避難所に派遣をしました。避難所の運営のほか、時期的にもインフルエンザやコロナなどの感染が心配な時期なので、感染症対策も実施していました。コロナ禍のときにもクラスター施設の支援も行っていたことから、感染症対策のノウハウがあるのも強みです。
また、能登半島の地域は高齢者が多く過疎化が進む地域です。今回の震災では、道路の断裂などで地域が分断され孤立した地域も多く、私設を含めて複数の避難所が点在するなかで介護度の高い高齢者が多く避難する状況となりました。ジャパンハートは高齢者のケアに従事したことに加え、医師による巡回診療を実施しました。現在は、仮設住宅に移行した方々のメンタルケアなど、慢性期の課題に対処するため支援を継続しています。
近ごろ仮設住宅への入居が進む一方でコミュニティの離散により独居高齢者などが周辺住民との交流機会を失い孤立してしまうといった課題を受け、6月には輪島市門前町で地域住民や支援者と交流する場を設けるなど、被災地のフェーズに合わせた支援をこれからも継続的に行っていきます。皆様からのご寄付は、このような現地活動におけるジャパンハートの拠点維持費、医療ボランティアの移動費用や医療品をはじめとする消耗品などに大切に使わせていただきます。
―アジアの子どもを支援する国際医療もされています
2025年夏に、カンボジアに新しい病院「ジャパンハートアジア小児医療センター」を開設します。今回の新しい病院は首都であるプノンペン近郊に開設します。ポルポト政権による医療崩壊により、現状、カンボジアには医療者を育成するための医療者がほぼいないと言われています。現在、すでに1つカンボジアに医療施設(ジャパンハートこども医療センター)があるのですが、そこでは新病院で働く活躍する人材の育成にも力を入れています。
今回の能登半島地震のように大きな震災が起きると、ボランティアで医療者を被災地に派遣します。しかし、通常勤務する病院を休んでもらわないといけないため、震災初期の段階ではなかなか医師や看護師が集まりにくい。
そこで、普段はカンボジアで働く日本人医療者を帰国させ被災地に派遣しました。その日本人スタッフが不在の間も、カンボジア人スタッフだけで病院を運営していたことから、現地の人材が育っていることを実感できました。
現在の能登支援はフェーズが変わったため、日本人医療者スタッフもカンボジアに戻り、病気と闘う貧しい子どもたちを救うために日々活動しています。
スマイルスマイルプロジェクト~小児がんと向き合う子どもたちの応援団
―そのほかの活動について教えて下さい
国内では『スマイルスマイルプロジェクト」という小児がんの子どもと家族を支援するプロジェクトを行っています。小児がんは子どもも家族もつらい時間を過ごさなくてはならず、身体にも心にも負担が大きいんです。特に外出をためらうことが多いそうです。
そこで、外出や旅行の夢を叶えてあげるため、ご家族の個別企画や、テーマパークなどに数組の家族をご招待するイベントを行っています。どちらも医療者が帯同することで、安心してお出掛けができるようサポートしています。