社員の健康増進を目指す専門部署の立ち上げ
―本日は、矢野理事長と洛和会健康経営推進室の菊元様からお話を伺います。洛和会健康経営推進室立ち上げの経緯や、部署のミッションについて教えて下さい。
矢野氏:病院を経営していくにあたり、患者様の信頼に応え続けていくには、職員自身が健康になることが何より大事だと考えています。そのため健康経営を推進する専門部署の設置が必要だと判断しました。
菊元氏:2023年は人事部主体で健康経営優良法人を取得しましたが、より良い成績を目指して専門部署として洛和会健康経営推進室を立ち上げました。社員の健康増進を目的に、運動習慣定着、メタボ対策、喫煙対策など、様々な取り組みを行っています。

健康診断データから見えた課題と解決への道筋
-ウォーキングを導入しようした背景には、具体的にどのような課題があったのでしょうか。
矢野氏:健康診断の結果を分析したところ、当法人の職員の運動習慣が全国平均より低いことが判明しました。まずはウォーキングから始めようと考えました。誰もが取り組みやすい運動だからです。
菊元氏:運動会や駅伝など、これまでも様々なイベントを実施してきましたが、全員参加が難しく、また事業所が東京などにもあるため、同一フィールドでの開催には限界がありました。そこで、場所を問わず参加できるアプリの活用を検討することにしました。
8個以上のアプリを実践比較。決め手は使いやすさと自治体採用の信頼性
―様々なアプリがある中で、aruku&(あるくと)を選ばれた理由を教えてください。
菊元氏:私自身が実際に、プライベートでの活用を通じて、8つ以上のアプリを徹底的に比較検討しました。aruku&は、ゲーム性があって楽しく続けられる一方で、携帯を常に立ち上げておく必要がなく、通信料負担も少ない点が決め手でした。また、京都府のウォーキングイベントでの採用実績があり、実際にそのイベントに参加して信頼性も確認できました。

2,000人規模の参加実現。想定以上のコミュニケーション効果も
―導入後の具体的な成果について教えてください。
菊元氏:従業員6,000人のうち2,000人、実に33%もの職員が参加してくれました。全社的な取り組みとしても、これだけの規模で統一イベントが実施できたのは初めての経験でした。
矢野氏:チーム戦を取り入れたことで、『駅から歩いた?』といった会話が自然と生まれ、イベントの話題をきっかけに、職場の関係性が深まったことが最大の成果でしたね。
菊元氏:面白かったのは、あえて本名で参加した社員が2、3人いたことです。自分の歩数を周りに知ってもらい、積極的にコミュニケーションのきっかけにしたいという意図があったようです(笑)。
全社員への浸透と継続を目指して
―今後の展望をお聞かせください。
矢野氏:この取り組みは、2024年のホワイト500取得にも貢献しました。ただ、健康経営は一過性のものではありません。
ウォーキングイベント以降も運動を継続してほしいですね。できれば全ての社員に浸透させていきたいと考えています。
菊元氏:他の医療法人との連携も考えています。北は北海道から南は沖縄まで、民間病院が集まっているグループがあるので、病院対抗戦のようなものができたらいいなと思っています。
これまでウォーキングイベントを2回実施しましたが、運動習慣の定着に効果を出すには継続性が重要なので、イベントの最適なタイミングを見極めながら実施を進めていきたいですね。健康経営の取り組みとして、継続的なデータ収集と効果検証も行っていく予定です。
