健康経営の推進に効果的なイベントとは?
イベントの例と実施の流れを解説

従業員の健康維持・増進を図る手段として健康経営が注目されていますが、その一環として多くの企業がイベントを実施していることはご存知でしょうか。健康経営に関するイベントは参加のハードルが低く、楽しんで取り組める点がメリットです。
しかし、具体的にどのようなイベントがあり、どうやって取り組めば良いのかわからない方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、健康経営の推進に効果的なイベントの例や実施の流れを解説します。

目次

健康経営が注目されている背景

近年、企業が従業員の健康づくりに積極的にコミットする健康経営が注目されています。

その背景として、少子高齢化により労働人口が減少しており、企業にとって労働力の確保が重要な経営課題となっていることがあります。

多くの企業が労働環境の改善に取り組んでおり、状況は徐々に変化しつつあります。しかし、一部の日本企業では、長時間労働やハラスメントなどの問題が指摘されており、そのような環境下で心身を病む従業員がいることが報告されています。そうした従業員を多く抱えている企業では、生産性の低下や、休職・離職の増加によって人手不足に陥るリスクが高まる可能性があります。

求職者が十分な状況であれば、離職が増えてもすぐに新たな人材を確保することができますが、社会全体で人手不足が深刻化している現在、人手を確保することは簡単ではありません。そこで、従業員の健康を維持・増進し、快適かつ生産性が高い状態で働ける環境を作ることが求められているのです。

また、最近はテレワークの増加により運動不足の懸念が増しており、このことも健康経営が注目される背景の1つとなっています。

健康経営の実施は、企業にとって、生産性の向上や企業価値・ブランドイメージの向上、医療費・休職に伴うコストの削減など多くのメリットがあり、結果として競争力の強化につながることから、非常に重要な施策であるといえます。

健康経営の一環としてイベントを行うメリット

健康経営の取り組みとしてよくあるものが社内イベントの実施です。以下では、健康経営の一環としてイベントを行うメリットをご紹介します。

楽しみながら従業員の健康増進ができる

「健康経営」という言葉から、普段の業務のような堅苦しい取り組みをしなければならないのではないかと思われる方もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

例えば、ウォーキングイベントやヨガ教室など、誰でも楽しみながら参加できる健康的なイベントを企画・実施することで、従業員の健康意識の向上を図れます。

こうしたイベントは楽しみながら参加できるので継続しやすく、定期的な運動イベントを通じて、メタボリックシンドロームの改善や生活習慣病の予防効果が期待できます。

組織の活性化につながる

イベントを通じて普段接点の少ない従業員同士の交流が生まれ、社内コミュニケーションが活性化することも大きなメリットです。さまざまな従業員との接点が生まれることで、業務での協働や協力が得やすくなるほか、団体で参加するイベントを通じて、部署内、あるいは部署を超えたチームワークや一体感が醸成されます。

企業イメージが向上する

健康経営に積極的に取り組む姿勢が、企業イメージの向上につながるというメリットもあります。イベントを通じて従業員の健康づくりに積極的に関わっている姿勢をアピールすることで、「この会社は従業員を大事にしてくれそうだ」という印象を求職者に持ってもらいやすくなります。このような好印象は、結果として人材の確保にもプラスの影響を与える可能性があります。

また、企業イメージの向上は顧客や株主からの信頼感の獲得につながり、業績や株価に良い影響が生じる可能性もあります。

従業員の健康意識が向上する

楽しみながら参加できるイベントを通じて健康経営の取り組みを継続的に実施しやすくなり、習慣化されることで従業員の健康意識が高まります。

イベント形式にすることで普段の業務とは異なる特別感が生まれ、より多くの従業員が健康経営の取り組みに参加しやすくなり、結果として会社全体での健康意識の醸成につながります。

健康経営におけるイベントの例

健康経営のイベントといっても大がかりなものばかりではなく、気軽に実施できるものが数多くあります。以下では、健康経営におけるイベントの中で代表的なものをご紹介します。

ヨガ・体操イベント

オフィスでできるような簡単なヨガや体操を行うイベントです。

ストレス解消やリラックス効果があり、柔軟性向上や腰痛・肩こりの解消などにも役立ちます。特に女性から支持を得やすく、時間や場所をとらず、気軽に行えることがメリットです。

ヨガを実施する際は、専門のインストラクターを呼ぶ方法やオンラインのヨガ動画を活用するなど、様々な選択肢があります。企業の状況や従業員のニーズに応じて適切な方法を選ぶことで、体操と同様に効果的に取り入れることができるでしょう。

運動会

昔から社内レクリエーションの一環として部署対抗の運動会を実施している会社も少なくありませんが、健康経営の取り組みとしても効果的です。運動会はチームワークを高めながら楽しく体を動かす良い機会となり、会社としての結束力や一体感を高める効果が期待できます。

体力に自信のない人や運動が苦手な人は負荷の少ない競技、体力に自信のある人は負荷の高い競技に参加するなど、レベルに応じた運動ができることもメリットです。また、別の部署の人とチームを組み、部門を超えたコミュニケーションを活性化させることも可能です。

健康経営のイベントとして運動会を実施する際は、場所の確保や競技内容・種目の選定など、綿密な計画と準備が求められます。また、参加者の安全を確保するため、怪我などの緊急時の対応策も事前に検討しておくことが重要です。これらの準備を丁寧に行うことで、より充実したイベントになるでしょう。

瞑想イベント

近年は瞑想の効果が注目されており、積極的に取り組んでいる人も少なくありません。特に、「今、この瞬間」に意識を集中させる「マインドフルネス瞑想」が有名です。

この瞑想を健康経営のイベントとして実施する例もみられます。瞑想を行うことで、リラックス効果やストレス軽減、睡眠の質改善、集中力アップなどさまざまな効果が期待できます。直接的な身体運動を伴わないものの、精神面での健康効果が期待できます。ストレス軽減や心の安定といった効果に加え、睡眠の質の向上など、身体の健康に良い影響をもたらす可能性があります。

身体を活発に動かすイベントではないため、体力に自信のない人でも参加しやすいこともメリットです。

効果を最大限に引き出すためには、正しい方法で実践することが重要です。取り組みの初期は専門のインストラクターを呼んでやり方を教わると良いでしょう。

健康経営研修・セミナー

外部講師を招いて健康に関する知識を学ぶ研修・セミナーを開催し、従業員の健康リテラシーを高める方法もあります。

運動や栄養、食生活、メンタルヘルスなどさまざまな内容を学ぶことができ、誰でも気軽に参加できる点がメリットです。

学んだ内容を日々の生活に取り入れることで、従業員一人ひとりが健康増進の効果を実感できる可能性があります。会社は、この自主的な取り組みを支援し、継続を促す環境づくりに努めることが大切です。

健康測定イベント

血圧や体組成、ストレスチェックなどの健康測定を行い、従業員の健康状態を把握する取り組みです。

定期的に実施し健康状態を数値として把握することで、従業員の健康に関する意識やモチベーションが高まります。脳年齢や体内年齢などを測定し、同僚と健康の話題で盛り上がったり競争意識が生まれたりする効果も期待できます。

正確な数値を測定するために、医療機関や健康機器メーカーなどの協力を得て行うと良いでしょう。

清掃イベント

健康経営の一環として、職場周辺のエリアを清掃するイベントもあります。

ゴミ拾いで歩き回るので良い運動になるのはもちろん、地域の美化にも貢献するので一石二鳥です。さらに、地域住民からの評判が高まる効果も期待できます。

継続的な取り組みによって、より大きな効果が期待できます。

ウォーキングイベント

ウォーキングイベントとは、歩数などの目標を設定し、達成を目指す歩行を中心としたイベントです。

特別な器具やスキルは必要なく、年齢や性別、体力レベルを問わず誰でも参加しやすい特徴があります。また、歩数は目標として明確化しやすく、参加のハードルも低いので多くの従業員に積極的に参加を促せます。

一駅分多く歩く、少し遠回りして職場まで行くなど、通勤経路の工夫だけで、参加することもできます。

部署や事業所対抗戦にすることでチームワークの醸成やコミュニケーションの活性化も期待できます。

イベントの魅力を高め、より多くの従業員の参加を促すために、様々な工夫を取り入れることができます。例えば、達成歩数に応じたランキング制度の導入や、参加賞・上位入賞者への賞品の用意など、楽しみながら健康増進に取り組める仕組みづくりが効果的です。こうした工夫により、従業員の意欲向上とイベントの活性化が期待できます。

イベント実施の流れとポイント

以下では、健康経営のイベントを実施する際の流れやポイントを解説します。

ターゲットや目的を明確にする

まずはイベントのターゲットを明確にします。例えば、睡眠不足の従業員が多い場合は、睡眠の質改善に関連するイベント、運動不足に悩む従業員が多いのであれば体を動かすタイプのイベントが効果的です。

従業員の悩みやニーズを把握するために、アンケートやヒアリングを実施すると良いでしょう。

どのようなターゲットに向けて何を解決したいのかを明確にすることで、「睡眠の質改善」「運動不足解消」などの目的を定めることができます。

イベントの内容・開催日時を決める

次に、ターゲットの課題解決を目的としたイベントの内容を決定します。

参加率を上げるためには、参加者や上位入賞者、優勝チームなどに賞品を用意するというように、参加のメリットを設定することも有効です。また、運営側・参加者双方が楽しめるような遊びの要素を取り入れることで、長期的に成功する取り組みになります。

開催日時は、できるだけ多くの従業員が参加できるよう配慮して決定することがおすすめです。

イベントの開催を告知する

イベントの開催についてどのように告知するかによって、従業員の参加率は変わってきます。

単に日時や内容を伝える事務的なものではなく、ターゲットが抱える課題を提示し、イベントに参加することで得られるメリットを記載した告知文を作成するのがポイントです。「高齢になっても健康的でいられる」といった長期的なメリットや、賞品・参加賞があることも含めるとさらに効果があります。

周知する際には、社内メールやポスターなど複数の媒体を活用するようにします。

イベントの様子を記録する

イベント当日は、写真や動画で様子を記録します。これらの記録は、後の振り返りや次回のイベント企画、さらには社内外への報告に活用することが可能です。

次回以降のイベント内容の改善に向けて、参加者の感想やフィードバックも積極的に集めると良いでしょう。

イベントの実施内容を振り返る

イベント終了後は、実施内容を振り返り、参加率、参加者の反応、目標達成度などを評価します。そのうえで改善点を議論し、次回のイベントに活かすようにしましょう。

具体的な見直しポイントとしては、例えば参加率が低かった場合は「どのようなイベントなら参加してもらえるか」、段取りが悪かった場合は「準備や実施体制に問題はなかったか」などを検討します。

以上のようなPDCAを回すことで、より魅力的で効果的なイベントを実施できるようになります。

健康経営のイベント開催はaruku&(あるくと) for オフィスで

健康経営の一環であるイベントを工夫することで、従業員が楽しく気軽に参加でき、継続的な実施が期待できます。定期的に取り組むことで健康経営の効果も高まっていきます。

その中でも、ウォーキングイベントは、特別な道具やスキルを必要とせず、誰でも参加しやすいため健康経営の施策として最適です。

企業向けウォーキングイベントサービスアプリであるaruku&(あるくと) for オフィスを活用すると、ウォーキングイベントをより手軽かつ効果的に開催できます。従業員が自身のスマホにアプリをダウンロードするだけで導入が可能であり、導入コストが低いこともメリットです。

健康経営優良法人の認定基準施策として、健康経営を目指す多くの企業様にご活用いただいています。これまでに200社以上のウォーキングイベントを支援してきた経験をもとに、参加者を増やすためのノウハウも併せて提供することができます。

効果測定やデータの集計機能などを備えた管理者向けの管理ツールも充実し、参加者の積極性を高めるための企画も実施可能です。

aruku&(あるくと) for オフィスの詳細につきましては、下記のサービス資料をご覧ください。

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