コラム

咳について

2019年6月19日
提供元:
NPO法人エビデンスベーストヘルスケア協議会 株式会社ライフケアパートナーズ
・咳とは?
咳は、空気の通り道である気道にたまった分泌物や吸い込まれた異物を、気道の外に排除するための身体の防御反応です。
気道内に刺激を感知する神経があり、この神経に刺激が加わると咳が出ます。
脳内にも咳を出すように指令する部分があり、ストレスでも咳が出ることがあります。
また、咳は痰が絡むものと絡まないものに分けられます。
痰が絡む咳は気管支炎や肺炎、タバコなど何らかの原因で気道内の分泌物が増えるため起こります。
痰が絡む咳は、気道内の分泌物を減らすような治療が必要で、痰が絡まない場合は、咳そのものを減らす治療を行うことがあります。
・咳の原因
咳は、感染症によるものと、それ以外の原因によるものとに大きく分けられます。
咳の原因の多くは感染症によるもので、その中でもウイルス感染による風邪が一番多くみられます。
咳が長く続いている場合は感染症が原因である可能性が低く、咳喘息や気管支喘息、鼻炎や胃食道逆流症などの可能性が高くなります。
特に3週間を超えると感染症の可能性はかなり低く、8週間を超えると感染症以外の可能性が極めて高くなります。
・長引く咳の中で怖いもの
咳が長引いている場合に、重大な病気が隠れていることがあります。
例えば、肺がんや肺結核、肺気腫なども長期間咳のみの症状で進行していることがあります。
特に長くタバコを吸っている、肺結核のご家族と同居していてご自身も咳が長く続いているような場合は、病院を受診することが良いでしょう。
また、安易に抗生物質を内服すると、もし肺結核の場合でも、部分的に薬が効いてしまい、診断が遅れる可能性があります。
・病院を受診するタイミング
咳だけではなかなか病院を受診されないかもしれません。
しかし、痰に血が混じる、ダイエットをしていないのに体重が減る、ちょっとしたことですぐに息が切れるなど他の症状がある場合は、先ほどご紹介した肺がんや肺結核などの病気の可能性があります。
咳とその他の症状がある場合は、ぜひ一般内科や呼吸器内科の受診をおすすめします。