コラム

がんの予防のために何をすればよいのか?

2019年6月19日
提供元:
NPO法人エビデンスベーストヘルスケア協議会 株式会社ライフケアパートナーズ
2018年のノーベル医学・生理学賞は、免疫を抑制するタンパク質である「PD-1」を発見し、がん免疫治療薬「オプジーボ」の開発につながった本庶佑(ほんじょたすく)博士が受賞しました。
がんの治療薬の進歩はすさまじく、がんは不治の病ではなく、治療できる病気となってきました。
しかし、がんはまだまだ撲滅できてはいません。
がんを予防するには、どのようなことに気をつけるとよいのでしょうか?男性の53.3%、女性の27.8%が、喫煙などの生活習慣や感染症が原因でがんになったと考えられています。
また、「科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」によると、がんの部位別のリスクと予防要因が明らかとなっています(表)。
たとえば、喫煙は肺がんだけでなく、胃や食道がん、膀胱(ぼうこう)がん、子宮頸(けい)がんなどのリスク要因になります。
多量飲酒は肝臓だけでなく、食道や大腸がんになるリスクを高めます。
また、太りすぎだけでなく痩せすぎも、がんになるリスクを高めます。
がん予防にとって大切なのは、禁煙、節酒、健康的な食生活、運動、適正体重を維持することです。
これら5つの生活習慣を実践することで、がんになるリスクを男性では43%、女性では37%減らすことが期待されます。・禁煙
がんの予防には禁煙が何よりも重要です。
節煙ではなく、キッパリと止めることが大切です。
電子タバコにすると禁煙しにくくなるとのデータもありますので、止めると決心した人は禁煙外来や薬局で相談してみてはいかがでしょう。

・節酒
多量飲酒は肝臓がんだけでなく、食道がんや大腸がんになるリスクも高めます。
1回に飲む量を減らしたり、休肝日を作るなど、心がけてみましょう。

・健康的な食生活
塩分や塩辛い食品のとりすぎること、野菜や果物を食べないこと、熱すぎる飲み物や食べ物をとることが、がんになるリスクを高めます。
とくに野菜と果物をとることは、生活習慣病の予防にもつながります。
皆さんは1日350gの野菜と200g程度の果物をとっていますか。

・運動
習慣的に運動することは、大腸がんなどがんの予防につながります。
1週間に150分程度のウォーキングなどの運動を行うことが目標になります。
続けて30分、運動しなくても10分を3回、あるいは15分を2回に分けて運動してみてもよいでしょう。

・適正体重の維持
太りすぎだけでなく、痩せすぎもがんのリスクを高めます。
皆さんは20歳の頃から比べると体重はどのくらい変わりましたか。
太りすぎが気になる人は、体重計にのる習慣をつけることから始めてみてはいかがでしょう。

皆さんは、がん予防のために何から始めますか?