今回は、更年期の腰痛について、その原因と予防方法を説明します。
腰痛の原因とは?
更年期以降の腰痛は、加齢による筋肉や骨の老化が原因と考えられています。
私たちの背骨は椎骨(ついこつ)という骨が積み重なってできています。
椎骨の間には、椎間板(ついかんばん)というクッションがあり、身体を動かした時に衝撃を和らげてくれます。
ところが、加齢とともに水分が減り弾力性が低下すると、衝撃を吸収できなくなり、腰痛を招きます。
特に閉経後の女性は、同年代の男性と比べて、椎間板が変性する人が多いと報告されています。
さらに、女性は男性に比べて、腰の周りの骨を支える筋肉が弱いこと、更年期を境に骨密度が減少しやすいことから、腰痛を生じやすくなります。
他にも、更年期にはエストロゲンの減少によって女性ホルモンのバランスが乱れ、血管の収縮をコントロールしている自律神経が乱れることにより、血行が悪くなるため、腰痛が生じることもあるようです。
腰痛を予防するためには?
腰痛を予防するためには、骨量や筋肉量の維持に努めることが大切です。
過去の研究では、閉経後の女性が有酸素運動や筋力トレーニングを行うと、腰の痛みが改善することが報告されています。
また、閉経後の女性について、普段の活動量が低いと骨密度が低くなること、腰痛が生じやすいことも報告されています。
これらのことから、腰痛を予防するためには、日頃から運動習慣を身につけることが大切です。
普段からできることとして、散歩や体操、買い物に行くなど、楽しく無理なく継続できる運動を取り入れると良いでしょう。
また、猫背にならないよう、お腹に力を入れながら背筋を伸ばすといった正しい姿勢を心がけるだけでも、腰の骨への負担を減らしてくれます。
もちろん長引く腰痛には、他の病気が隠れていることもあります。
まずは、医師に相談し、腰痛の原因を知ったうえで運動を行いましょう。