はしかは、麻しんウイルスに感染して起こる感染症です。
その感染力は強く、はしかに対する免疫がないと、同じ空間にいただけでほぼ100%感染し発症してしまいます。
感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水など風邪のような症状が出ます。
2~3日症状が続いた後に、突然39℃以上の高熱と全身に赤いブツブツが出ます。
そのため、発症早期は、はしかにかかったことがわからずに、周りに感染を広げていく危険があります。怖いはしかの合併症
はしかには、根本的な治療がありません。
1000人に1人は脳炎を起こし、命に関わる状態になります。
なお、妊娠中にはしかにかかると、流産や早産を起こす可能性が高くなります。
また、10万人に1人の割合で、はしかの治療後、数年から10年ほど経ったところで、亜急性硬化性全脳炎という病気を発症することがあります。
こちらも、根本的な治療が確立されていない難病の一つです。
はしかの予防
はしかは、ワクチンで予防が可能です。現在は、1歳および小学校入学前の2回定期接種を行っています。
はしかにかかるリスクがある人は、1977年より前、はしかの予防接種が定期となっていなかった方々と、1978年以降の2回目のワクチンを受けておられない方々です。
また、はしかのワクチンは生ワクチンなので、妊娠中はワクチンを打つことはできません。
日本の現状
現在日本は、国内で発生するはしかが撲滅されている「はしかの排除国」として、世界保健機関(WHO)に認定されています。
しかしこれは、海外からはしかにかかった人が来日した場合、簡単に感染が広がる状態ということですから安心はできません。
2018年度は、海外ではしかにかかった人が帰国して周囲に感染を広げ、沖縄や名古屋で大きな問題となったという事例もありました。
はしかは普段の予防が一番大切です。
周囲に感染が広がるとワクチン不足になることもありますので、はしかにかかったことがあるのか、予防接種を受けているのか、早めに確認されることをお勧めいたします。
そして、もし、はしかにまだかかっていない、ワクチンを受けていない場合は、早めに医療機関にご相談ください。