スポーツ障がいは子どもや若い人にも起きますが、近年は中高年でスポーツを楽しむ人が増えてきていることから、中高年の人の割合も増えています。
今回は、中高年のスポーツ障がいの原因と予防対策をご紹介していきます。
スポーツ障がいとは?
スポーツ障がいは、運動時に関節・靭帯・腱・骨などに繰り返し力が加わり、その部分に何らかの障がいが起こってしまうことです。よく知られているものでは、疲労骨折、野球肩・野球肘、テニス肘などがありますが、中高年ではアキレス腱断裂・足関節部の捻挫・テニス肘・ゴルフ肘・膝関節痛などが多いと言われています。
中高年のスポーツ障がいの原因とは?
中高年のスポーツ障がいの主な原因は「加齢による身体機能の低下」です。
・関節軟骨や靭帯、筋肉などの柔軟性が低下する
・心肺機能が低下する
・疲労が回復しにくい
・平衡感覚がにぶる
上記の通り関節や筋肉などの強度が弱くなったり、無理な体勢になりやすくなったり、転倒しやすくなることでスポーツ障がいのリスクが高まります。
また、「自分で思っているよりも体力が落ちているのに、若いときと同じ感覚で運動しようとして、結果的に体に負担をかけてしまう」こともスポーツ障がいの原因に含まれます。このようなケースでは、元気で活動的で、スポーツに自信がある人ほどケガをしやすくなるので注意が必要です。
スポーツ障がいを予防するには?
スポーツ障がいは練習前のウォーミングアップやストレッチである程度予防できますが、中高年のスポーツ障がいでは、もう一歩工夫が必要になります。
運動するときは以下のことに気をつけましょう。
・ストレッチや筋トレなどで筋力・柔軟性・体力を向上させる
・運動を始める前のウォーミングアップと運動が終わったあとのクールダウンを徹底する
・自分の体にあった靴や用具を使う
・体調の悪いときは無理をしない
・気候(暑さ・寒さ)や時間帯に注意する
・年齢や体力、実力に合った運動をする
・関節や脊椎に無理がかからないように、フォームを改善する
・運動経験がない人や久しぶりに運動を始める人は、運動の強度や時間を少しずつ増やしていく
そして中高年の人におすすめの運動の目安は、以下の通りです。
・それぞれの体力や健康状態にあわせやすいもの
・体の一部だけに負担がかからないもの
・軽い有酸素運動できつくないもの
具体的にはウォーキングやジョギング、ゲートボール、水中運動、エアロビクスなどが比較的安全です。体力がある人には少々退屈に感じてしまうかもしれまので、その場合は、スポーツトレーナーや理学療法士などと相談しながら、自分の希望と体の状態にあったスポーツを選びましょう。
元気な中高年でいるために、スポーツ障がいには気をつけよう
中高年のスポーツ障がいは加齢による体力や柔軟性の低下などの「身体能力の低下」が原因で起こります。自分では自信があっても、思った以上に身体能力が低下していて思わぬケガをしてしまった例も少なくありません。健康のために運動をしている人もいると思いますが、そのためにケガをしてしまっては本末転倒です。
プロの意見も聞きながら自分にあった対策をとって、いつまでもスポーツを楽しめるようにしましょう。