アメリカのスチュワート博士らの研究では、たった7日間の安静でも、筋肉のブドウ糖の取り込み能力が著しく低下することを報告しています。
これは、運動不足によって、ブドウ糖を細胞に運ぶ運搬車(グルコース輸送担体)の数が減ることとその馬力が落ちることによります。
また、血糖コントロールやインスリン感受性の改善が運動後48時間は持続することが分かっており、運動の糖尿病予防効果を得るためには、週あたり3回程度の習慣的な運動の継続が重要になってきます。
このことは、習慣的な運動を励行することの大切さを再認識させてくれます。
運動療法は、比較的軽い糖尿病患者では、特に顕著な血糖の改善が認められます。
この運動の血糖降下作用は、筋肉が最も多量のブドウ糖を利用できる組織であることと関係しています。
ブドウ糖消費量は、安静時に比較すると、歩行運動で約3倍、ジョッギング運動ではその程度により約5~10倍近くにも及ぶことが報告されています。