普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳などの症状もみられることもあります。
典型的なインフルエンザは潜伏期間が1~3日間ほどで、約1週間以内に軽快します。
高齢者は2次的に細菌による肺炎や気管支炎を併発することもあります。子どもでは中耳炎や気管支喘息を併発することもあります。
以前は、インフルエンザは発症してから12時間以上たたないと、十分なウィルス量がないために判定ができないとされていましたが、今では3時間程度で判定できる迅速診断キットも出てきました。
学校保健安全法では、インフルエンザ感染の拡大を予防するために、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」が出席停止期間と原則的に定められています。これらの経過を知って、家族で対処する必要があります。
「インフルエンザワクチンを受けたのにインフルエンザにかかった」と嘆く人がいますが、ワクチンによるインフルエンザの予防接種の意義は、発症予防だけでなく、重症化予防にあります。さらに、高齢者がワクチンを接種すると、肺炎やインフルエンザによる入院が27%、死亡によるリスクが48%減少するとの報告もあります。
ところが、ワクチンの国内での接種率は、全体で38.6%(小児で59.2%、一般成人で28.6%、高齢者で58.5%)にすぎません。
咳やくしゃみをする際に、何もしないのはもちろんいけませんが、手で抑えたりしてもいけません。マスクを着用し、ティシュで口や鼻を覆って、すぐにゴミ箱に捨てましょう。そして、インフルエンザになったら無理をせずに休むことが大切です。