今年もスギ花粉の大量飛散が始まりました。気象庁の予測によると、今年の花粉の飛散量は、東北・関東甲信・四国地方は昨シーズンの1.5倍以上とのこと。
万全の対策が必要ですね。
さて、「黄砂」は同じく春の風物詩ですが、黄砂が飛ぶと花粉症の症状がひどくなるという調査結果が出ていますので、ご紹介します。
近年、人口増加に伴う森林の伐採や過放牧、乱開発により、世界で砂漠化が進んでいます。
これと同時に、砂漠の砂が風にのって飛来する量・頻度も増えています。
黄砂は、アジア大陸の砂漠で上空に巻き上げられた砂嵐の砂が飛んでくるものです。
富山県の小児科医師グループの調査では、黄砂が来ると、ぜん息の子どもが入院する危険性が2倍近くに高まることが示されました。
また、京大・富山大・鳥取大の合同調査(*)でも、花粉症のある妊婦さんで、黄砂が飛ぶとアレルギーの症状が強く出ることが報告されています。
興味深いのは、花粉が飛んだ日にだけ、黄砂の影響が見られている点です。黄砂は、それ自体が症状を起こすというよりも、炎症を激しくする「火に油」のような役割が強いのかもしれませんね。
花粉症のある方は、花粉の季節には「黄砂」にも注意すると、少し楽に過ごせるかもしれません。
*環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の追加調査
アレルギー症状でお困りの方は、春先の飛来時は窓の開閉を控え、不要な外出を控えるなどすると症状を低減できそうです。たとえば、黄砂日に外に出た時間が1時間以上あった妊婦さんでは、目や鼻の症状が普段の1.5倍くらい出やすくなっていましたが、10分未満の方では1.1倍程度に抑えられていました。