コラム

胃がんについて知ろう

2019年4月15日
提供元:
NPO法人EBH推進協議会
株式会社ライフケアパートナーズ
胃がんについて知ろう
日本では、人が一生涯でがんになる確率は、男性が62%、女性が46%で、男性では40歳以上になると消化器系のがん(胃がん、大腸がん、肝臓がん)になりやすく、70歳以上になると肺がんと前立腺がんになる人が多くなります。
それに対して、女性は40歳代では乳がんや子宮がんになりやすいのですが、70歳以上になると消化器系のがん(大腸がん、胃がん、肝臓がん)の割合が増加します。がんの罹患数で見ると、表の通り、男性は胃がん、女性は乳がんが第1位ですが、男女計の場合、胃がんが第1位です。
胃がんについて知ろう
胃がんというのは、胃袋の内側にある粘膜にできるがんで、徐々に外側に浸潤(しんじゅん/水が染みるようにじわじわと広がっていくこと)していきます。
粘膜の下までにとどまっているのを早期胃がん、粘膜の下の筋肉より深く浸潤したのを進行胃がんといいます。
早期胃がんのうちに治療できると根治となりますが、進行すると治療がだんだん難しくなってきます。早期発見・早期治療が大切といわれる所以です。
早期に胃がんを見つける胃がん検診としては胃部エックス線検査、胃内視鏡検査等があります。
胃がんのリスクとして、確実な要因となるのが喫煙とピロリ菌です。
ピロリ菌は胃の粘膜にすみつくらせん形の細菌です。ピロリ菌を発見したのはオーストラリアのマーシャル医師。彼は自分でピロリ菌を飲み、胃炎になることを証明しました。
ピロリ菌は、母から子に感染すると考えられていて、衛生状態の悪い国では予防のために母乳や食物を与える前に手を洗うことが予防につながることが期待されています。
日本のピロリ菌の感染率は1910年から1940年代までは60%を超えていましたが、1998年以降の感染率は10%と低下しており、日本での胃がん死亡率低下の主な要因と考えられています。
現在は、ピロリ菌の除菌治療も、胃酸の分泌を抑える薬と2種類の抗菌薬を1週間飲むことで簡単に行えます。
食事の面では塩辛いものを控えて、野菜や果物を適切にとったり、緑茶を飲む習慣をつけたりすることなどで胃がんの予防につながりそうです。