それに対して、女性は40歳代では乳がんや子宮がんになりやすいのですが、70歳以上になると消化器系のがん(大腸がん、胃がん、肝臓がん)の割合が増加します。がんの罹患数で見ると、表の通り、男性は胃がん、女性は乳がんが第1位ですが、男女計の場合、胃がんが第1位です。
粘膜の下までにとどまっているのを早期胃がん、粘膜の下の筋肉より深く浸潤したのを進行胃がんといいます。
早期胃がんのうちに治療できると根治となりますが、進行すると治療がだんだん難しくなってきます。早期発見・早期治療が大切といわれる所以です。
胃がんのリスクとして、確実な要因となるのが喫煙とピロリ菌です。
ピロリ菌は、母から子に感染すると考えられていて、衛生状態の悪い国では予防のために母乳や食物を与える前に手を洗うことが予防につながることが期待されています。
現在は、ピロリ菌の除菌治療も、胃酸の分泌を抑える薬と2種類の抗菌薬を1週間飲むことで簡単に行えます。
食事の面では塩辛いものを控えて、野菜や果物を適切にとったり、緑茶を飲む習慣をつけたりすることなどで胃がんの予防につながりそうです。