コラム

あらためて考えるメタボのリスク

2019年5月1日
提供元:
NPO法人EBH推進協議会
株式会社ライフケアパートナーズ
メタボの基準
「メタボリックシンドローム」こと「メタボ」は「代謝症候群」ともいわれ、下の図の通り、「内臓脂肪蓄積型の肥満」と「脂質異常」「高血圧」「高血糖」の3つのうち少なくとも2つが該当した状態のことをいいます。
また、太っていたり、おなかが出ていたりするけれど、血圧や脂質、血糖値が正常な場合は、メタボではなく「健康的な肥満(Metabolically normal obesity)」といいます。
ただし、肥満は膝や腰の関節に影響しますので、メタボ基準に該当しなければ太っていてもよい、という話ではありません。
同様に注目したいのが、高血糖となる空腹時の血糖値。
図のメタボ基準では110㎎/㎗とされていますが、糖尿病の判定基準は100以上から予備群、126以上で糖尿病とされます。
さらに言えば、若い方の場合、実は95でも糖尿病もしくは予備群の可能性がありますので、減量や運動で糖尿病予防に取り組めるといいですね。
メタボのリスク
メタボのリスクは、手遅れになるまで自覚症状がほとんどないことです。
健康診断を受ければ、高血圧や糖尿病・脂質異常が始まっていると指摘されますが、この段階でも無関心な人が多く、ある日突然心臓発作や脳卒中となり、最悪の場合死亡、幸い死に至らなかったとしても、重度の後遺症で寝たきりとなる不自由な生活を何十年も続けることになります。
また、糖尿病を併発すれば、動脈硬化だけではなく、網膜症・腎臓障がいなどの合併症をまねき、失明や人工透析が必要になることもあります。更に認知症になるリスクや確率も高まります。
このように、メタボは無意識、無関心の間に動脈硬化を進行させ、最悪の場合死に至る危険があることを認識して、健診を年に一度は受診することが大切です。
特定保健指導のすすめ
特定健診とあわせて、メタボ判定を受けた人への特定保健指導が全国で実施されています。
特定保健指導では、グループ支援、個別支援、電話支援など様々なサービスが行われています。
指導の期間中は食事に気をつけ運動して減量に成功しても、それが終わるとリバウンドしてしまう方も少なくありません。リバウンドしない、自分に合った健康的な生活習慣が身につくといいですね。