最近、テレビや雑誌などで「血糖値スパイク」という言葉を耳にすることが増えてきました。
スパイクというと、野球や陸上競技などのスパイクシューズのような、滑り止めのために靴底に打ちつけられた突起物を思い浮かべます。
「血糖値スパイク」とは、食後に急激に上昇する血糖値の変化のこと。
この「血糖値スパイク」が問題となっているのは、このスパイクのように上昇した血糖値が血管を傷つけ、放置すれば心筋梗塞など動脈硬化を引き起こすからです。
ところが、大半の人は自分が「血糖値スパイク」が起きているのを知りません。何故かというと、毎年受ける健康診断では、血糖検査は空腹時に行われるからです。
この「血糖値スパイク」は、空腹時の血糖値が正常範囲や少しだけ高い状態にあっても起こることがあります。
そのメカニズムとして、すい臓から分泌される、血糖を低下させるインスリンというホルモンの分泌が少なくなることが考えられています(初期分泌の低下)。
糖尿病予備群や糖尿病初期の人に多く、国内で1,000万人以上の人が「血糖値スパイク」になりやすいと考えられています。
決して、「糖尿病の気(け)があるだけ」とあなどっていてはいけないのです。
「血糖値スパイク」を起こしやすい人であっても、克服する方法はいくつかあります。
まずは、食事中の炭水化物に注目すること。ラーメンに小ライスと餃子をつける、いわゆる炭水化物の重ね食いは「血糖値スパイク」を起こしやすいです。
砂糖入りの缶コーヒーや甘い飲み物でも「血糖値スパイク」を起こしやすいです。
なお、ご飯やパンなど炭水化物を含む食品より先に、食物繊維をたっぷり含んだ野菜を食べることで、「血糖値スパイク」を抑えることができます。
さらに、ゆっくりよく噛んで食べることでも抑えられます。食後にウォーキングや体操、家事などを行うのも良いですね。
読者の皆さんも、食後にテレビを観ながらゴロゴロするのではなく、何か身体を動かすようにしてみてはいかがでしょう。