コラム

白血球の役割

2019年6月19日
提供元:
NPO法人エビデンスベーストヘルスケア協議会 株式会社ライフケアパートナーズ
血液の中には白血球、赤血球、血小板の3種類の細胞がありますが、その中で白血球は免疫反応に関係して、ウイルスや、「がん」などの生体防御に働く重要な細胞です。
白血球には、①好中球、②好酸球、③好塩基球、④リンパ球、⑤単球の5種類があり、それぞれ役割や特徴は以下の通りです。
①好中球は、細菌や真菌などの病原菌を貪食(どんしょく/呑み込むこと)し、殺菌を行います。
②好酸球は、アレルギーや寄生虫の感染などにより増えます。
③好塩基球は、即時型のアレルギー反応に関係しています。
④リンパ球は、病原体やがん細胞などの異物を攻撃します。ただし、正常な細胞を攻撃してしまうなど免疫が働きすぎないようにブレーキをかける制御システム(免疫チェックポイント機構)があります。
⑤単球は、血液中から出て組織内に入るとマクロファージに分化し、組織の異物を処理します。
白血球が増加する場合は、細菌による感染症や急性の炎症などでみられます。
感染症や炎症がおさまると、白血球数は正常化します。
喫煙者では白血球数の増加がみられますが、これは慢性的な炎症を起こしていると考えられ、禁煙することで白血球が正常化してきます。
ただし、中には血液疾患の場合も含まれていますので、精密検査が必要です。
一方、ウイルスなどの感染症や解熱鎮痛剤・抗菌薬などの薬剤で一時的に白血球が減少する場合もあります。
しかし、慢性的に減少している場合には血液疾患が潜んでいる場合もあるので、この場合も精密検査が必要となります。