コラム

皮膚の乾燥、気になりませんか

2019年6月19日
提供元:
NPO法人エビデンスベーストヘルスケア協議会 株式会社ライフケアパートナーズ
寒さが厳しくなりました。
皮膚の乾燥、気になりませんか。
日本の冬は夏に比べて湿度が低くなり、空気が乾燥します。
さらに冬は室内で暖房をつけるので皮膚が乾燥しやすくなります。なぜ乾燥すると皮膚が傷みやすくなるのでしょうか?
皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織の3層で成り立っています。
表皮の一番外側の角質層は皮膚の弾力に関係しています。
角質層の約30%は水分ですが、周囲の湿度でその水分の量は大きく変化します。
皮膚は、乾燥すると外からの刺激を受けやすくなります。冷たい風雨にさらされると、血流が悪くなり、水分も少なくなり、皮膚が傷みやすくなるので、保湿に努めることが大切です。

家庭でできる冬の皮膚乾燥対策
米コロンビア大学メディカルセンター皮膚科のロビン・ジミレック医師は、皮膚の乾燥対策について以下のように勧めています。
皮膚の保湿を高めるためにぜひ参考になさってください。
・保湿剤の入ったクリームの使用
・界面活性剤の入っていない洗顔料を使う
・お風呂に入るときは熱い長湯を避ける
・室内の湿度を60%くらいに保つ
・冷たい風に皮膚をさらさない
・顔だけなく体全体の保湿
・体の内部にも水分補給
・家庭で対策しても改善が見られない場合は皮膚科の受診

食事面で気をつけることは
管理栄養士としての立場から、食事面では次のことをお勧めします。
まずは、とくに摂取したい栄養素と食物についてです。
・たんぱく質
皮膚を作っているのはたんぱく質。新しい細胞を作り出すためにも肉類、魚介類、乳製品、卵、大豆製品を摂取しましょう。
・ビタミンE
抗酸化作用があり、血液の流れをよくし、健康な皮膚を作るのに役立ちます。
アーモンド、うなぎ蒲焼、ぶりなどの背の青い魚、西洋かぼちゃなどに豊富に含まれます。
・ビタミンA(レチノール)
ビタミンAの主要な成分であるレチノールは、目や皮膚の粘膜を健康に保ち、抵抗力を高める働きがあります。
鶏や豚レバー、乳製品、卵などに多く含まれています。
・ビタミンA(β-カロテン)
植物に含まれるβ-カロテンは、体内でビタミンAに変わります。
小松菜、春菊、ほうれんそう、にんじんなどの緑黄色野菜に多く含まれています。
緑黄色野菜には毛細血管を正常に保つビタミンCも豊富なので、特におすすめです。

1つの食品ばかり偏って食べるのではなく、毎食バランスのとれた食事を心がけることで身体の抵抗力を高めます。
主食(ご飯、パン、麺類など)、主菜(主にたんぱく質のおかず)、副菜(淡色野菜、緑黄色野菜、海藻類)がそろっていますか?
果物と乳製品は1日のうちに入っているかチェックしてみましょう。

皮膚の乾燥を防ぐには体内への水分補給も大切です。
冬になると水分をとる回数や量がどうしても減ってしまいます。
また、外気の湿度が低くなることや、室内では暖房器具を使うことで部屋が乾燥しがちです。
こまめな水分摂取を心がけてください。
食事から約1リットル程度摂取できます。
飲み水として1.2リットルくらい(お湯呑み8杯程度)を飲むようにしましょう。
最後に、毎日のウォーキングと十分な睡眠も皮膚にとっては大切。
皮膚の乾燥を防ぐために、今一度あなたの生活習慣を見直してみませんか。