これを基礎代謝といいます。
そして、食事をするときに出て行くエネルギーが食熱産生で、200キロカロリー程度。
それ以外がカラダを動かすことによるエネルギー消費で、このほとんどがニートです。日常の活動で消費されるニートを足していくと、ひとつひとつのニートは大したエネルギーではないにしても、少ない人で600キロカロリー、多い人で800キロカロリーに上ります。
この数字は、基礎代謝に次いで大きなエネルギー消費であり、決して小さいモノではありません。
このニートを増やしていけば、まさに「チリも積もれば痩せられる」ということになります。ハミルトンの論文が出るまで、実は、私自身も、「現代人は運動不足のくせにうまいモノばかり喰っているからメタボになるんだ。それを予防するには運動しかない」と提唱してきました。
もちろん、これまで運動の効能をさまざまな形で論じてきたように、たしかに定期的にジョギングやウォーキングをしている人に糖尿病などの生活習慣病は少ないのです。
しかし、ハミルトンは反論します。
運動不足が糖尿病の増加につながることは認めるとしても、仮にアメリカのスポーツ医学で推奨している1日30分のウォーキングを行ったとしても、1回100キロカロリー程度のエネルギー消費でしかない。
週に3回、まじめに続けたとしても、トータル300キロカロリーに過ぎない。
ニートですら1日600キロカロリーから800キロカロリー消費するのに、運動での消費など大したことはない。
むしろ、1日のうち約16時間起きている時のニートを増やすほうがよっぽど重要ではないか、と。